研修の内製化①「開発時に必要な法令研修」

研修の内製化①「開発時に必要な法令研修」

研修の内製化を通じて、学び続ける組織づくりへ

私たちは現在、研修の「内製化」を積極的に推進しています。
これまでの組織運営においては、専門的な知識や最新の動向を学ぶために、外部研修を活用する場面も多々ありました。もちろん外部研修には専門性の高い学びや多様な視点を取り入れる良さがあります。一方で、社内で培った知識やノウハウをそのままにしてしまうのではなく、私たち自身がそれらを「言語化」し、「伝える力」に変えていくことで、次の学びや成長へと繋げていくことができるのではないか。そんな考えのもと、今回の取り組みはスタートしました。

内製化の大きな目的は、「知識の定着」と「組織のアップデート力の強化」です。
私たちは「個人の成長を組織の成長へとつなげ」、そして「組織の成長を次世代にフィードバックする」ことで、持続的な成長の連鎖を生み出していきたいと考えています。まさにその実践の第一歩として、今回は「開発業務に必要な法令研修」を内製で実施しました。

第1弾 内製研修「開発時に必要な法令研修」の実施

今回の研修の対象は、主にジュニアエンジニアのメンバーです。入社1〜3年目の社員が中心ではありますが、初めての社内研修という位置づけでもあったため、参加希望者は誰でも受講可能とし、結果的に22名が参加しました。日頃、現場で技術力向上に励んでいるメンバーにとっては、「法律」というテーマは少し遠い存在に感じるかもしれません。しかし、ものづくりを行う私たちにとって、法令遵守の意識や知識は決して避けて通れないものです。技術の力だけでは解決できないリスクや配慮すべき観点が存在するからこそ、今回の研修を通じて基礎知識を身につけてもらいたいと考えました。

研修で取り扱った法令は、以下の8つです。

1.民法
  請負契約と準委任契約について理解しました。
  外部への委託を行うこともあり、偽装請負についても留意し、委託管理しています。

2.下請法
  1と関連しますが、下請法を理解しておく必要があります。
  R&D本部では発注書発行や社内請求書手続きは、専任の社員が役割を担っています。

3.著作権法
  プログラミングをする社員にとっては、最も気になる法律ではないかと思います。

4.特許権、実用新案権、意匠権、商標権

5.電気通信事業法

6.個人情報保護法
  エンジニアの方は、この知識は必須となっているといえると思います。
  何が個人情報にあたり、どういう点を気を付けなければならないのか、テクニカルだけでない視点をもって業務に活かしてほしいと思います。

7.製造物責任法

8.旅館業法
  USEN-ALMEXの主力商材の一つである、ビジネスホテル向けシステム「Wincal」の開発者にとっては、基本的な知識になりますが、自社製品についての理解を深めるために、研修のコンテンツに追加されました。

研修の進め方と工夫

今回は、知識のインプットだけでなく「実際に考えてもらう」「自分ごと化する」ことを大事にした設計としました。一方的な講義形式にすると、内容をその場で聞いて終わってしまうことが多いため、随所に質問や確認クイズを挟み、参加者同士で考えたり、答えを出し合ったりする時間を設けました。

また、研修の最後には理解度テストを実施し、自分の理解度を客観的に把握する機会を提供しました。これにより、参加者からは「曖昧だったところが明確になった」「自分が意外と知らないことがあったと気付けた」などの声が多く上がっています。

今後に向けて

今回の取り組みはあくまでも第一弾です。今後も、業務で必要となるさまざまな知識やスキルについて、社内で学び合い・教え合う文化を醸成していきたいと考えています。内製化には大変な部分もありますが、自ら学び、自ら伝え、次世代に繋いでいく。その循環が回り始めたとき、きっと私たちの組織はもっと強く、しなやかに変化対応できるチームになっているはずです。

これからも、学び続ける組織づくりにチャレンジしていきます。

(Dojo育成担当)